コラム

オフショア開発ならミャンマーへ|ミャンマーでのオフショア開発の動向とメリット

オフショア開発を検討する中で、どの国に依頼するかは重要なポイントです。本記事では、ミャンマーの最新の情勢やメリット・デメリットなどを紹介しております。弊社のグループ会社であるミャンマーDCRの社員へのインタビューもあり、ミャンマーのことがよりリアルに分かるので、是非最後までご覧ください。

ミャンマーの情勢・最新動向

ミャンマーに依頼する上で一番の悩みの種は、クーデターなどによる情勢不安ではないでしょうか。弊社のミャンマーの長年の経験から、ミャンマーの現状をお伝えします。(出展: 株式会社ジェイサット

日系企業の事業活動状況

2021年10月時点では、81%の企業が通常通りの営業を行えている状況です。コロナやクーデターの影響は限定的で、弊社でもリモートワークを中心として通常通りの業務を行えております。IT・通信業に関しては、事業継続率100%とほとんど影響はないと言えます。
コロナの影響で多くの日本人駐在員が帰国しましたが、多くの業種で今後も日本人を現地へ配属する見込みです。しかしながら、コロナ禍でリモート体制を築いた企業では、日本人を配属せずにリモートで対応していく傾向が見受けられます。

業界別の今後の事業見通し(2021年10月)
貿易・
商社
建設 製造 サービス 金融・
保険
物流 政府・
公共
IT・
通信
事業継続

83%

81%

75%

54%

100%

93%

100%

100%

休業

8%

13%

15%

11%

0%

0%

0%

0%

撤退済/予定

8%

6%

10%

36%

0%

7%

0%

0%

新型コロナウイルスの感染状況

2020年の2月から世界的な大流行を見せている、新型コロナウイルスの影響は限定的です。ロックダウンなどの政策が実施されたこともありましたが、経済への大きな影響はないと言われています。
2021年10月時点での、ワクチン接種率は1回目が33%・2回目が22%と決して高いとは言えない状況です。(日本では、3回目接種まで60%が完了しています。)WHOのテドロス氏も9月14日に「パンデミックの終わりが見えてきた」と発言しており、コロナの影響はますます少なくなっていくでしょう。

ミャンマー経済とIT業界の状況

ミャンマー経済はまだまだ発展途上であり、経済成長は続いています。世界銀行は2022年5月26日ミャンマーの9月期(2021年10月~2022年9月)の国内総生産(GDP)成長率が1%になるという予測を発表しました。
クーデターやコロナの影響は、IT業界に関しては殆ど無いと言えます。テレワーク中心に業務を行うようになったことが、要因として挙げられます。2008年設立の弊社グループ会社「ミャンマーDCR」では、全社員に全通信キャリアのSIMカードを配布し、2020年3月より完全テレワークへ移行しました。完全テレワーク移行により、ヤンゴン本社とマンダレー支店の地域融合が実現し、従来よりフレキシブルな要員構成が可能となりました。

ミャンマーでオフショア開発をするメリット

ミャンマーでオフショア開発をするメリットは何があるのでしょうか。ミャンマーと日本は国民性が似ているなどとよく言われますが、実際はどうなのでしょうか。外務省が発表している資料 (https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000434061.pdf)を例に出しつつ、ミャンマーオフショアのメリットを紹介していきます。

国民性の親和

ミャンマー人は日本人と親和性の高い国民性を持っていると言われています。ミャンマーは親日国と言われていて、日本の外務省が実施した世論調査でも裏付けられています。
Q:あなたにとって、今後重要なパートナーとなるのは次のうちどの国ですか。
A:54%が日本と回答しています。
Q:あなたの国にとって、今後信頼すべき友邦となるのはどの国ですか?
A:55%が日本と回答しています。
ミャンマーでは、国民の9割近くが仏教を信仰していて、信仰心が厚く穏やかな性格の人が多いと言われています。また、日本人と同じように上司や年長者を敬う傾向にあり、仕事をする上で指示も出しやすいでしょう。

日本語能力の高さ

ミャンマーでは、日本語学習の人気は高まっています。外務省が行った同調査では、次のような回答結果となっています。
Q:あなたは次のどの言語の習得に関心がありますか。
A:40%が日本語と回答しています。
日本に親しみがあることもありますが、言語の構造が日本語と同じであるため学習しやすいということも言えるかもしれません。

エンジニアの人月単価

ミャンマーのエンジニア人月単価は安価で、コストを削減するためには魅力的な国となります。人材育成も進み、高度人材のリソースも潤沢になってきています。ミャンマーの単価について、他の国と比較したい場合は次の記事をご覧ください。

ミャンマーでオフショア開発をするデメリット

ここまで、ミャンマーオフショアのメリットを紹介してきましたが、デメリットはないのでしょうか。ここからは、ミャンマーオフショアのデメリットについて紹介していきます。

高度人材の不足

数年前は、ミャンマーでは高度人材不足と言われていて、PM(プロジェクトマネージャー)の単価が高いことが問題となっていました。しかしながら、近年では人材育成が進み高度人材のリソースが潤沢になってきています。そのため、高度人材の不足についてはさほど問題視する必要はないと言えます。

情勢不安

一番のデメリットかつ心配な点は、コロナやクーデターなどによる情勢不安でしょう。たしかに、まだまだ社会情勢が安定せず心配な点も多いと思います。しかしながら、弊社グループ会社のミャンマーDCR(ヤンゴン・マンダレー)では、問題なく業務が行えております。 特にIT業界ではリモートワーク化が進んでいるため、影響なく業務ができております。

ミャンマーDCR社員へのインタビュー

さて、ここからは弊社のグループ会社ミャンマーDCRの社員にインタビューした生の声をお伝えします!ミャンマーDCRでは、日本語を公用語として日本語で仕事をしているそうですが、本当なのでしょうか。現在、日本に派遣されている3人の方に様々な角度からインタビューを実施しました。楽しみながらご覧ください!インタビューはもちろん日本語で行いました。

インタビュー対象者(2022年9月現在)
PHYO WAI THAW(ピョー ウェイ トー):社歴12年5ヵ月
EI EI THEINT(イー イー テイント):社歴5年5ヵ月
HNIN THAWTAR TUN(ニン トーター トン):社歴4年5ヵ月

ミャンマーDCRへの入社前から日本を知っていましたか?

日本のことは、知っていました。はじめて日本のことを知ったのは、日本の映画を見たときです。他にも、アニメや富士山、桜などの文化を知っていて、「綺麗な場所」という印象でした。日本語が理解できるようになってから、日本のアニメを見るようになりました。

来日してから、日本の印象は変わりましたか?

一番驚いたことは、日本の暑さです。日本はミャンマーに比べて涼しいと思っていましたが、初夏の時期に来日したこともあり、とても暑くて驚きました。また、日本に来る前は日本人は不親切というイメージがあり少し不安でしたが、来日してから周りの方は親切で安心しました。来日する前から神社やお寺のことも知っていて、行ってみたいと思っていました。会社の近くにある熱田神宮に行く機会があり、とても綺麗で素敵な場所でした。他の日本の伝統的な場所にも行ってみたいと思います。

日本語で仕事することの苦労はありませんか?

仕事をする上で問題ありません。ただ、あまりに早口だと理解しきれない場合があります。しかし、分からないことはすぐに確認するようにしているので、問題は発生していません。
現在、DCRでは社内システム部でSEの仕事をしています。社内の資料は日本語で文書化されていて、全て問題なく理解できています。

日本語はどうやって覚えているのですか?

ミャンマーDCRで、日本人の先生から学びました。また、家でも2〜3時間日本語の勉強をするようにしていて、2~3年で日本語能力試験JLPTの2級に合格することができました!
現在でも勉強は継続しており、試験の前には2〜3時間は勉強するようにしています。

ミャンマー人と日本人がより良い仕事をするために気を付けるべきことはありますか?

少しだけゆっくり話してもらえると助かります。あまりに早口だとワードとワードが繋がって聞こえてしまい、理解しにくいことがあります。
また、日本語独特の言い回しが難しいことがあります。例えば、「このタスクは、○日までに間に合わないこともないですよね?」などの二重否定の言い方は悩んでしまうことがあります。

ミャンマーオフショア開発をする注意点

ミャンマーでオフショア開発する際には、ミャンマーでのオフショア開発実績があることを確認しておきましょう。開発経験がない会社に発注してしまうと、思いがけないハプニングやリスクが高まります。
繰り返しになりますが、クーデターやコロナに関する不安を抱えているお客様が多くいらっしゃいます。しかしながら、IT業界に関しては影響なく業務が行えているため、そこまで注意する必要はないと言えるでしょう。

ミャンマーオフショア開発のまとめ

ここまで、ミャンマーオフショア開発の現状を中心に紹介してきました。特にIT業界では、コロナやクーデターの影響なく業務を行えています。もちろん、DCRでもテレワークを導入して問題なく業務が行えています。
ミャンマーは親日国として知られており、日本人との親和性が高いです。ミャンマーDCRも日本語を公用語として使用してるため、コミュニケーションは円滑に行えるでしょう。ミャンマーDCRでは、ラボ型開発も行っています。ラボ型開発において、ミャンマー技術者が日本語を話せることは大きなメリットとなるでしょう。
オフショア開発でミャンマーを検討している際は、お気軽にDCRにお問い合わせください。