コラム

【ラボ型開発とは】ラボ型開発のメリット・デメリット

ラボ型開発のメリット・デメリット

日本国内でのシステム開発の契約形態は、請負契約や派遣契約はおなじみですが、オフショア開発ではそれらに加えて、ラボラトリー契約に着目されるようになりました。ラボラトリー契約はこれまでも、自社システムの維持・運用チームや、システム開発チームの中期的な補強などで活用してきました。本記事では、ラボラトリー型開発(ラボ型開発)とは何か、注目されるようになった理由、メリット・デメリットを交えて解説していきます。


▼そもそもオフショア開発とはどんなもの?という方は、こちらの記事をご覧ください。





オフショア開発ならミャンマーへ|ミャンマーでのオフショア開発の動向とメリット




ラボ型開発とは

ラボ型開発とは

ラボ型開発とは、オフショアやニアショアで活用されている開発形態です。一定期間(半年~1年間)、専任のITエンジニア(5名程度~)の開発体制が確保可能な契約で、案件単位の発注ではないのが特徴の一つです。
案件単位ではないが故に、契約前に作業の内容、必要な知識と技術力、期間内の作業量、過去実績などを確認して、相互理解にズレが無いようにしましょう。オフショアでのラボ型開発がこれまで以上に着目されてきた背景としては、経済産業省の「IT人材需給に関する調査(概要)」で、2030年には最大で79万人のITエンジニア不足が記述されてるように、ITエンジニア不足の解消策として、オフショアのITエンジニアを確保する企業が増えてきたことがあげられます。
また、オンラインミーティングが日本国内に普及したことが、オフショアのラボ型開発を加速させることにもつながっています。例えば、ラボ型開発ではオフショア先と日本の依頼元との橋渡しを担当するブリッジSEが必要となりますが、依頼元がブリッジSEを準備する場合、オフショア先に常駐させる必要がありました。
逆に、オフショア先が準備する場合は日本に常駐させる必要がありました。どちらがブリッジSEを準備するにしても、オンラインミーティングで作業を進めることが可能となったので、ブリッジSEの出張費用などのコスト削減となり、オフショアでのラボ型開発検討のハードルが下がりました。
オンラインミーティング普及は、「日本国内の開発業者の開発よりも、オフショア開発の方が進捗管理が難しい」と言われていた問題も、お互いの距離によるコミュニケーションを取る機会の少なさが一因でした。そのため、コミュニケーションツールの利用と定期的なオンラインミーティングを行うことで、情報共有を円滑にして早期に問題点を発見し、進捗管理を行うことが可能となります。

ラボ型開発のメリット

ラボ型開発のメリット

ラボ型契約のオフショア開発には、様々なメリットがあります。ここでは、4点のメリットについて解説します。

ラボ型開発のメリット-1:コスト削減

オフショア開発の目的は多様化してきましたが、ラボ型開発のメリット1つ目はやはり「コスト削減」です。ラボ型開発は、専任の開発チームを確保して開発を継続的に行うため、開発期間が長期で大規模な開発などでは、スケールメリットが出やすく大きくコストを削減できます。また請負契約の場合は、納品検収後の修正や、開発途中で仕様変更があった場合などに追加費用が発生しますが、ラボ型開発の場合は、契約期間内であれば追加費用が発生しないので、費用を削減することができます。

ラボ型開発のメリット-2:優秀な人材を一定期間確保できる

ラボ型開発のメリット2つ目は、優秀な人材を一定期間確保できることです。ラボ型開発では特定の人材を一定期間、自社専属として確保しておくことが可能となります。自社システムやリリース済アプリケーションソフトウェアの維持・運用は、長期間同じアプリケーションやサービスに携わるので、オフショアのラボ型開発に適しています。
弊社オフショアのラボ型開発
は、ミャンマーDCRでサービス提供しています。ミャンマーDCRは2008年に設立した、ミャンマーに一番最初に進出した日系IT企業です。ミャンマーDCRでは、入社後もIT教育はもちろんですが、日本語教育も継続的に実施しています。ミャンマーDCR社内公用語は日本語なので、日本語によるコミュニケーションの心配は無用です。ミャンマーDCRは、2020年3月より完全テレワークへ移行したことで、ヤンゴン本社とマンダレー支店のテレワークによる地域融合が可能となり、これまでより柔軟にラボチームを構成することが可能となりました。

ラボ型開発のメリット-3:仕様変更・修正に柔軟な対応が可能

ラボ型開発のメリット3つ目は、仕様変更・修正に柔軟な対応が可能であることです。請負契約の場合は、成果物に対する契約のため仕様変更・修正の度に見積が必要となります。しかし、ラボ型契約の場合は、「作業要員×時間」の契約となるため修正が発生しても見積が必要ありません。そのため、仕様変更などの作業に臨機応変な対応が可能です。仕様変更が発生しやすい開発でも、追加費用などの細かい調整が発生せず、契約期間内であれば自由にリソースを使うことが可能なので、安心して開発を進められます。
アジャイル開発のように、開発途中での仕様変更や修正を前提としている開発手法には最適な契約です。契約期間中に、開発規模に合わせた要員の増減が可能なので無駄なリソースを抱える必要がなく、新規開発終了後に人数を減らし、別の新規開発時に再度人数を増やすことも可能です。

ラボ型開発のメリット-4:システム開発のノウハウをラボチームに蓄積できる

ラボ型開発のメリット4つ目は、システム開発のノウハウをラボチームに蓄積できることです。ラボ型開発では、チームメンバーを一定期間確保できるため、ノウハウを蓄積することが可能です。ノウハウが蓄積されれば、開発スピードや品質が向上し、ラボチーム間のコミュニケーションも円滑になり、総合的なコスト削減につながります。
コスト削減だけを目的にするのではなく、将来的なITエンジニア不足解消策として、オフショアのITエンジニアを確保し自社開発ノウハウを蓄積するために、ラボ型開発の契約が増えています。

ラボ型開発のデメリット

ラボ型開発のデメリット

ラボ型開発のメリットについて解説してきましたが、当然デメリットもあります。ここでは、3点のデメリットについて解説いたします。

ラボ型開発のデメリット-1: 一定の発注量がなければ人件費が高くなる

ラボ型開発のデメリット1つ目は、一定の発注量がなければ人件費が高くなることです。ラボ型開発では、「作業要員×時間」での契約で専属チームを確保しているため、たとえ発注する仕事がなくても費用が発生してしまいます。
そのため、会社として明確な発注プランがなければ、人材リソースの空きが発生してしまう可能性があります。ラボ型契約をする際には、発注する仕事を明確にしておく必要があるでしょう。
しかし、2030年には最大で79万人のITエンジニアが不足するとの予測もあるように、少子高齢が進み自社でITエンジニアの確保が難しい企業は増えてくるでしょう。オフショア開発の中でもラボ型開発が注目されている理由として、自社専属のラボチームを構築し、請負型開発とは異なる自由度の高いシステム開発が低コストで可能になるからです。例えば、既存システムの維持・保守業務をオフショアのラボチームに移行し、自社社員はDX推進要員として配置することも可能となります。

ラボ型開発のデメリット-2:チームビルディングに時間が必要

ラボ型開発のデメリット2つ目は、チームビルディングに時間が必要であることです。ラボ型開発では、一定期間自社専属のチームとなることから、チームビルディングの形成は極めて重要です。しかし、海外の方とのチームとなるので、コミュニケーション面でうまくいかないケースもあります。特に、チームの立ち上げ時が重要となりますので、初期は積極的にコミュニケーションを取るように心がけましょう。
日本語によるコミュニケーションが円滑に取れないと、チームビルディングに時間が掛かる可能性が大きくなります。先にも記述しましたが、ミャンマーDCRの社内公用語は日本語なので、日本語によるコミュニケーションの心配は少ないです。現地マネージャーも同席したwebによる週次ミーティングや月次定例会の開催、 TeamsなどによるチャットでのQ&Aなど、いつでも日本語でコミュニケーションが取れる環境で作業を実施しています。

ラボ型開発のデメリット-3:発注側がマネジメントを担う必要がある

ラボ型開発のデメリット3つ目は、発注者がマネジメントを担う必要があることです。ラボ型契約では、自社の専属チームを確保することになるため、開発チームに指示を出す必要があります。このため一般的に発注者は、マネジメントの工数がかかると言われています。
ミャンマーDCRでは、発注者の意向と作業内容に齟齬が発生しない様に、ラボリーダーが窓口となって打合せを行い、チームメンバーの負荷状況を考慮して、開発スケジュール等を回答します。ラボリーダーが、開発コ-ディネーターの役割を担っているイメージです。
開発コーディネーターを別途手配すれば費用が発生しますし、開発コーディネーターがラボチームメンバー以外であれば、齟齬が発生しやすくなります。コロナ禍前にはより良いチームビルディングのために、年に2回ほど現地のマネージャーが来日し、お客様からの改善やお客様への改善依頼などを打合せする場を設けておりました。

ラボ型契約と請負型開発との違いとは

ラボ型オフショア開発では、一般的には「準委任契約」が結ばれるケースが多いです。一方で、オフショア開発の契約としては「請負型契約」と呼ばれるものもあります。

請負型契約とは

ここまで解説してきたように、ラボ型契約(準委任契約)では、「作業要員×時間」の契約でした。一方で、請負型契約「成果物」に対する契約となります。そのため、既に決まっている案件の完成を求める場合は請負型契約を結び、一定期間の間エンジニアを確保しておきたい場合は準委任契約が望ましいでしょう。

ラボ型契約(準委任型契約)と請負型契約の違いまとめ

ラボ型契約と請負型契約のその他の違いについては、次の表で確認してください。

ラボ型契約 請負型契約
責任範囲

業務の遂行

契約期間内での成果物の完成

契約期間

指定した期間

納期まで

▼国別のオフショア開発費用はこちらの記事を参考にしてください。

ラボ型開発に向いている開発案件

ここまでラボ型開発について解説してきましたが、ラボ型開発に向いている案件は次のようなケースです。「毎月短納期ではない安定した作業があり、中期的に作業が続く場合」はラボ型開発が向いていると言えるでしょう。DCRのオフショア開発は、弊社グループ会社のミャンマーDCRでサービス展開をしております。
パッケージソフトウェアの開発工程や、リリース後の維持・運用などでご活用いただくとメリットが出やすいですが、弊社では社内システム開発とコーポレートサイトの維持・運用で活用しています。
自社の社内システムということもあり、マスタースケジュールはありますが、アプリケーションの詳細機能については、エンドユーザーから機能追加や改善要望の都度、仕様変更となります(アジャイル的な開発手法)。
請負契約であれば変更の都度仕様変更扱いとなり、見積もりから注文に至る手続きが必要で、仕様変更が反映されるまでに時間が掛かったり、追加費用の発生となります。
ラボ型開発をしていますので、予定外のメンバー追加をしなければ追加費用は発生しませんし、仕様変更扱いにもなりません。システムリリース後の維持・運用も、開発チームのメンバーが引き続き担当するので、開発時のノウハウを活かし、生産性と品質の高い維持・運用が可能となります。定量的に開発作業があり、定期的に発注したいお客様にとってはメリットが大きくなります。是非一度お問い合わせください。