コラム

“どこを変えたか分からない”が終わる。VSSD 最新Ver1.15 で変更の見える化(差分比較・履歴横断検索)を実装

VSSD1.15アップデート

VSSDのVer1.15がリリースされました。
今回のアップデートでは、これまで多く要望のあった「変更点の可視化」が大きく強化されています。

チェックイン運用をしていると、必ず出てくる悩みがあります。

「チェックインしたけど、結局どこを変えたの?
「レビュー依頼されたけど、差分が追えないから全部見直しになる…」
「障害調査で“いつ・誰が・何を”が必要なのに、履歴はあるけど変更点が見えない

これまでVSSDでも、システムやドキュメントのチェックイン履歴は残せました。
ただ、履歴は見えても「変更点の中身」を追うのは手間がかかり、よくいただくご要望に対して「差分表示はできません」とお伝えせざるを得ない状況がありました。
そして今回の VSSD Ver1.15 では、ここが大きく変わります。
“変更の見える化”を軸に、次の3機能が追加されました。

・ドキュメントの差分比較
・システムプロパティの差分比較
・システム単位の変更履歴表示(横断検索)

本コラムでは、これらを中心に「どう使うと効くのか」「どこが便利になったのか」を、実際の操作導線に沿って紹介します。

Ver1.15の本命:変更の「検索」と「差分表示」がつながる

今回のアップデートの価値は、機能が増えたこと以上に、運用の流れが一本の線でつながった点にあります。

・変更を探す(システム単位の変更履歴表示)
・対象を開く(一覧から該当ドキュメントへ)
・差分を見る(ドキュメント差分比較/システムプロパティ差分比較)

つまり、これまで“経験と勘”に頼りがちだった変更確認が、「検索 → 特定 → 差分確認」の手順で再現可能になります。

全体フロー図(変更履歴検索→ドキュメントを開く→差分比較)

図1:全体フロー図(変更履歴検索→ドキュメントを開く→差分比較)

システム単位の変更履歴表示:まず「探せる」ようになった

最初に紹介したいのが、今回の“ハブ”になる機能です。
システム単位で変更履歴を検索し、一覧で確認できるようになりました。

できること
・日付・コメントなど条件で、変更履歴を横断検索
・同じタイミングでチェックインされた変更を、まとまりとして把握
どの項目がどう変わったかまで一覧で確認(必要に応じて)
ファイル出力も可能(レビュー・報告・証跡に便利)

システム変更履歴画面(検索条件+一覧)

図2:システム変更履歴画面(検索条件+一覧)

「変更箇所を表示する」で、変更の中身まで追える

一覧の表示を深掘りしたいときは、
「変更箇所を表示する」にチェックを入れることで、変更の粒度を“項目単位”まで落とせます。

表示される主な列(例)
・カテゴリ、サブカテゴリ(ドキュメントなら主にタブ名など)
・オブジェクト
・プロパティ名
・変更区分(追加/変更/削除)
・変更前の値/変更後の値

変更箇所表示ONの一覧(列が増えた状態)

図3:変更箇所表示ONの一覧(列が増えた状態)

ここが効く場面
・障害が出たが、直近の変更点を洗い出したい
・レビュー対象を“変更があった箇所だけ”に絞りたい
・いつ誰が何を変えたか、説明責任が必要

ドキュメントの差分比較:設計書の変更点が“赤く見える”

変更履歴で対象を絞り込んだら、次は差分の可視化です。
Ver1.15では、表示中のドキュメントと過去リビジョンを比較し、差分箇所を色付きで確認できます。

操作の流れ
1.ドキュメントを開く
2.「変更履歴」タブを表示
3.比較したいリビジョンを選択
4.差分比較を実行

差分があるタブにはマークが付き、各タブ内で変更箇所が色付き表示されます。

変更履歴タブ(リビジョン選択→右クリック→差分比較)

図4:変更履歴タブ(リビジョン選択→右クリック→差分比較)

差分のあるタブにマークが付いた状態

図5:差分のあるタブにマークが付いた状態

※注:レイアウト等、一部の内容は色付き表示されない場合があります。その場合は変更履歴検索から詳細をご確認ください。

表形式の差分:行追加・セル変更・行移動が直感的に分かる

表の差分は特に分かりやすく、レビューのスピードが上がります。

・新規行追加:行番号の横に四角い赤いマーク
・セルの内容変更:セル右下に赤い三角マーク
・行内のどれかが変更:行番号に赤い逆三角マーク
・行の移動:行番号の文字が赤く表示

表の差分

図6:表の差分

「処理」「問合せ」「更新項目」など:変更があると左上にマーク

「処理」「問合せ」「更新項目」等のパートでは、どこか変更があると左上に赤い三角マークが表示されます。
また「処理」の場合、「パラメータ/戻り値」「変数/定数」に変更があっても同様にマークが出ます。

処理/問合せ/更新項目の差分マーク

図7:処理/問合せ/更新項目の差分マーク

アウトライン差分:段落移動と文言変更が追える

アウトラインは、レビューで見落としがちなポイントですが、差分表示で追いやすくなります。

・段落移動などで番号が変化:項番が薄いピンク
・文言が変更:テキスト部分が薄いピンク

アウトライン差分(項番ピンク+テキストピンクが同時に写る)

図8:アウトライン差分(項番ピンク+テキストピンクが同時に写る)

システムプロパティの差分比較:システム設定変更も追える

ドキュメントだけでなく、システムプロパティの差分比較にも対応しました。
過去リビジョンとの比較で、差分箇所が色付きで表示されます。

操作の流れ
1.システムプロパティの変更履歴から履歴を選択
2.差分比較を実行
3.差分箇所がツリー上で色付き表示

システムプロパティ(変更履歴→差分比較→ツリー色付き)

図9:システムプロパティ(変更履歴→差分比較→ツリー色付き)

差分のあるノードに色が付いた状態

図10:差分のあるノードに色が付いた状態

※注:色付き表示はツリー上のみです。
詳細な変更内容は、変更履歴検索から確認してください。

“一番便利な使い方”はこれ:履歴一覧 → その場で差分

ここまでを、実際の運用導線でつなげると真価を発揮します。

おすすめ手順(運用の型)
1.システム変更履歴で期間検索(例:4/1〜4/30、コメントに「障害対応」など)
2.一覧から対象履歴を選び、「開く」→ 該当ドキュメントが開き、変更履歴タブへ
3.比較したいリビジョンで右クリック → 差分比較
4.変更点を赤表示で確認し、そのままレビュー/調査

この導線ができたことで、これまで「全体を見直すしかなかった」確認作業が、
“変更があったところだけ見る”運用に寄せられます。

どんな現場に効く?(既存ユーザー視点のメリット)

ここは箇条書きで、既存顧客が「それ困ってた」と思える言葉で寄せるのが強いです。

・レビューが速くなる:差分箇所が明示され、確認範囲を絞れる
・調査が速くなる:いつ・どこが変わったかを横断検索で特定できる
・説明しやすい:変更前後の値が出るので、報告資料が作りやすい
・属人性が下がる:「変更を知っている人」頼みから脱却できる
・チェックイン運用が回る:履歴が“証跡”として機能しやすくなる

併せて改善:日々の小さなストレスも軽減(軽く触れる)

本コラムは「変更の見える化」が主役ですが、その他の追加機能についても最後に軽く触れておきます。

・CRUD表機能強化:画面で確認/検索/出力が可能に
・テスト仕様書作成機能追加:設計書から単体テスト仕様書を自動作成
・テストデータ作成機能追加:テーブル定義からCSVテストデータを生成(従属生成も)
・文字サイズを拡大縮小可能に:Ctrl+ホイールで拡大縮小
・一覧一括コピー機能追加:列コピー/行コピー/全体コピー
・64bit対応:大容量データ・多数処理の安定性向上
・ドキュメント検索強化:AND/OR、複数区分選択
・新規ステータス廃止:作成時点でチェックイン扱い → 同期後に他ユーザー閲覧可に
・ツリー構成でのドキュメント出力:オブジェクトエクスプローラと同じフォルダ構成で出力
・VSAG付属情報編集画面:コード生成用の付属情報を画面から編集しやすく
・最新環境に対応:Windows Server 2025/PostgreSQL18/.NET10

まとめ:Ver1.15は「変更確認」の作業コストを下げるアップデート

VSSD Ver1.15の中心は、はっきりしています。
“変更点が分からない”という運用課題を解決することです。

・システム単位で変更履歴を検索できる
・ドキュメント/システムプロパティの差分を画面で確認できる
・検索→差分確認の導線がつながった

チェックイン運用をしているほど効果が出やすいアップデートです。
これを機に、レビューや調査、変更確認のやり方を「変更点ベース」に寄せてみてください。