事例紹介

  • 桑名金属工業株式会社 OCIを基盤にOracleデータベースを短期間で移行
    イニシャルコスト約50%削減と安定稼働を実現

    ソリューション クラウド
    サービス Oracle Cloud
管継手やバルブなどの製造販売を営む桑名金属工業株式会社(以下、桑名金属工業)は、株式会社プロテリアルからの分離独立にあたり、販売系システムを1年以内に移行する必要に迫られていた。移行先のOracleデータベース基盤にOCIを採用。第一コンピュータリソースの支援により、約1ヶ月間という短期間でOracleデータベースを立ち上げ、期限内の移行を成功させている。さらにオンプレミスと比べ、イニシャルコストの約50%削減も実現した。
  • 導入前の課題

    • ・1年間という期限以内に販売系システムを移行したい
    • ・移行に伴うコストや移行後のコストを最小化したい
    • ・移行後のシステム安定性とパフォーマンスを確保したい
  • 導入後の効果

    • ・約1ヶ月でOCIにデータベースを立ち上げ、期限以内に移行
    • ・イニシャル約50%、ランニング約23%のコスト削減
    • ・トラブルなしの安定稼働、十分なパフォーマンスを実現

1年間の期限内に販売系システム移行を目指す

桑名金属工業は、2024年8月1日に株式会社プロテリアルから配管機器事業が分離独立して設立された企業である。同社の源流は1910年設立の戸畑鋳物株式会社であり、100年以上の歴史を持つ。そのなかで 長年培った技術力を強みに、管継手やバルブ、 膨張タンク、マスフローコントローラの他、 冷水供給機器「チルドタワー」などの製造販売を事業の柱としている。

同社の日常業務を支える重要なシステムのひとつが販売系システムである。分離独立の直後の1年間は、元のプロテリアルのシステムが使える猶予期間が設けられていた。 つまり、1年以内に移行を必ず完了させなければならない。その達成のためには、システムの核であるデータベースを迅速に用意して立ち上げる必要があった。

同社 管理本部 システム部 部長 置鮎 卓治 氏は、「期限が決まっているなか、データベース立ち上げに多くの時間を要すると、その次の工程であるデータ移行やアプリケーション構築、テストの期間が短くなってしまいます。 期限内に販売系システムを確実に移行するため、極力早くデータベースを立ち上げなければなりませんでした」と振り返る。
置鮎氏


桑名金属工業株式会社 管理本部システム部 部長 置鮎 卓治 氏
もともと、販売系システムのデータベースは、 OCI(Oracle Cloud Infrastructure)上のOracle Exadata(以下、Exadata)を使っていた。桑名金属工業でも、データベースは引き続きOracle製品の採用を決めた。アプリケーションがOracleデータベースに最適化されたかたちで構築されており、移行時に改修を不要とするためである。

データベース基盤は最初、オンプレミスを検討した。同社 管理本部 システム部 主任 郡 茂伸 氏は、「何社かのベンダーに相談しましたが、オンプレミスはハードウェア調達などで、非常に多くの時間が必要となり、 期限に間に合うのか大いに危惧されました。その上、膨大なコストがかかってしまい非現実的でした。移行コストを必要最小限に抑えることも大きな命題だったのです」と明かす。
郡氏


桑名金属工業株式会社 管理本部システム部 主任 郡 茂伸 氏

Oracleデータベースの基盤にOCIを採用

同社はさらに調査検討を進めたところ、「Oracle Base Database Service」(以下、Base Database)が候補に挙がった。OCI上で稼働するEnterprise Edition(EE)やStandard Edition(SE)のサービスである。そして、それらの導入を支援したベンダーが第一コンピュータリソース(以下、DCR)だ。
「OCIにはExadataより規模が小さくて安価なBase Databaseが使えることを知り、導入を検討すべく、DCRに支援を頼みました。DCRにはOracleの専属部署があり、Oracleにあまり詳しくない当社にとって大変頼りになります」と語る郡氏。加えて、DCRには同社工場システムのOracleデータベースを長年サポートしてきた実績もあった。

さっそくプロテリアルの担当者も交えてDCRと打ち合わせを行った結果、DCRを正式にパートナーに決めた。
「DCRの技術者はOracleの知見が大変豊富なエキスパートであり、当社がOracleデータベース移行で悩んでいた点が一気に解消しました。話がスムーズに進み、DCRの支援があれば、これなら当社の要望に沿って移行できるという手応えが得られました」 (置鮎氏)

その打ち合わせに同席した同社 管理本部 システム部 主任 服部 隆志 氏も、「私達は決してOracleに詳しくなかったのですが、 DCRは噛み砕いてわかりやすく説明してくれました。懸念事項を一つ一つひも解きながら、解決に必要なコマンドを挙げるなど、話の内容が具体的でした。要件や仕様、お互いの役割分担が明確化でき、打ち合わせの中で全部決められましたね」と感心する。
服部氏


桑名金属工業株式会社 管理本部システム部 主任 服部 隆志 氏
打ち合わせを経て検討した末、最終的にはOCIを基盤に、Base Databaseの採用を決めた。データベースは必要な処理速度や規模などを考慮し、Exadataからスペックを落としても問題ないと判断して、本番環境はEE、検証環境はSEを選定した。

その構成で見積もりを取った結果、「5年間の想定でオンプレミスと比較し、通信費なども含め、OCIの方がよりコストを抑えられると判明しました」と置鮎氏は語る。

さらにExadataを採用した場合に比べて、ライセンス料も少なく済んでいる。また、クラウド化したのはデータベースのみであり、アプリケーション(クライアント/サーバー型) はオンプレミスに残したままとした。

オンプレに比べイニシャルコスト約50%削減

2025年1月中旬から構築をスタートし、2月中旬にはOCI基盤上にOracleデータベースを準備できた。その後、データ移行などを経て、販売系システムは同年8月に本稼働を迎えた。服部氏はその間のDCRのサポートを振り返り、「データベース構築はすべてDCRにお任せできました。データ移行は当社で行いました。OCIの操作は不慣れなコマンドラインでしたが、DCRがきめ細やかにサポートしてくれたおかげで、スムーズに進められました」と語った。
また、分離独立にあたり新たに導入したERPとの連携のため、販売系システムのアプリケーションに少し手を入れている。

桑名金属工業はDCRの支援のもと、OCIにデータベース基盤を移行したことによって、さまざまな効果を得ている。まず挙げられるのが大幅なコスト削減効果だ。
「販売系システムのデータベースをオンプレミスで構築した場合に比べて、イニシャルコストは約50%に抑えられました。ランニングコストも約23%削減でき、コストを極力抑えつつ移行するという当初の目的を達成できました」(置鮎氏)
そして、何より大きい効果が期限以内に移行を完了できた点である。置鮎氏は次のように強調する。
「OCI上のOracleデータベースそのものは、約1ヶ月で立ち上げられました。他にも見積もりが約2週間で出てきたなど、DCRのスピード感のおかげで、他ベンダーにお願いした場合に比べ、データ移行など後の工程の期間を1ヶ月半ほど多く確保できました。 期限が1年間なので、この1ヶ月半は大きいですね。スピードというクラウドの利点をフルに活かせたのはありがたいです」(置鮎氏)

安定稼働と必要十分なパフォーマンスを継続

そして、本稼働後は安定稼働を続けている点にも満足している。同社 管理本部 システム部 主任 永井 章良 氏は、「データベースに起因する大きなトラブルは一度も起きていません。パフォーマンスも業務が円滑に行える水準を確保できています」と語る。
このようなOCIをデータベース基盤とする販売系システムの移行を支援したDCRについて、「当初はOracleまわりで不安が多く、ベンダー任せな面が多かったのですが、DCRは最初から手厚くサポートしてくれたので、安心して移行を進められました。このあとはDCRによる保守をもっと厚くしてもいいと考えています」と永井氏は評価する。
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桑名金属工業株式会社 管理本部システム部 主任 永井 章良 氏
今後はバージョンアップなど、OCI上のOracleデータベースの安定稼働継続とパフォーマンス維持のための運用を着実に行っていく。それとともに置鮎氏は将来の構想を「当社には現在、工場のシステムにオンプレミスのOracleデータベースがいくつかあります。それらを将来的にOCIに集約できないか、DCRに相談しながら検討していく予定です」と述べる。
これからも桑名金属工業のOCIのデータ ベース環境はDCRが支え続けていく。


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