コラム

オラクルクラウド(OCI)とAWSを徹底比較!選び方のポイント解説

クラウド導入を検討する中で、オラクルクラウド(OCI)とAWSのどちらを選ぶべきか迷っていませんか?本記事では、両者の特徴や違いを徹底比較し、自社に最適なクラウドを選定するためのポイントを分かりやすく解説します。初めてのクラウド導入でも安心して進められるよう、課題解決に役立つ情報をお届けします。

移行する際の注意点や、導入事例について、以下の記事で詳しく紹介しています。
⇒クラウド移行とは?オンプレミスからクラウドへの移行手順、メリット、課題や注意点を解説
⇒クラウド導入事例や費用の構成、会計処理のポイントまでをわかりやすく解説

はじめに – オラクルクラウド(OCI)とAWSを比較する理由

近年、クラウド導入を進める企業が増える中で、どのクラウドサービスを選ぶべきか悩む企業は少なくありません。中でもオラクルクラウドとAWSは、導入先としてよく比較される代表的な選択肢です。クラウド導入に不安を抱える方に向けて、両者の違いや選定時に押さえるべきポイントをわかりやすく解説します。

クラウド導入が進む企業の課題

クラウド導入を進める企業にとって、コスト最適化や運用負荷の軽減、セキュリティ強化といった課題は避けて通れません。しかし、サービス選定の段階でクラウドサービスの違いを十分に理解できず、自社に最適なクラウドを選びきれないケースが増えています。特に初めてクラウド移行に取り組む企業では、導入後の運用体制やサポート内容まで考慮した慎重な選定が求められます。また、既存システムとの親和性や、今後の拡張性をどう見るかも重要な視点となります。こうした課題をクリアするには、各クラウドの特徴を正確に把握し、自社の要件に照らして検討することが欠かせません。

オラクルクラウドとAWSがよく比較される背景とは?

オラクルクラウドとAWSは、クラウド市場で特に注目される選択肢です。両者は企業のニーズに応じた異なる強みを持っており、そのため比較が頻繁に行われます。OCIは特にデータベースやエンタープライズ向けの機能に強みを持つ一方、AWSは広範なサービスとスケーラビリティで知られています。企業がクラウド導入を検討する際、これらの特徴を理解することが、最適な選定をするための重要なステップとなります。

基本情報の比較 – OCIとAWSの特徴

OCIとAWSはいずれも高機能なクラウドサービスですが、成り立ちや強みには違いがあります。本章では、各サービスの基本情報を整理しながら、それぞれがどのような用途に適しているのか、選定時に押さえておきたいポイントを紹介します。

OCI(Oracle Cloud Infrastructure)とは?

OCI(Oracle Cloud Infrastructure)は、オラクルが提供するエンタープライズ向けのクラウドサービスで、特にデータベースの性能に強みを持っています。高度なデータベース管理機能、スケーラビリティ、セキュリティを提供し、特にオラクル製品を多く利用している企業にとっては、クラウド移行が容易で効率的です。また、ハイブリッドクラウドやオンプレミス環境との統合にも優れた機能を提供しており、既存のIT資産を活かしながら、クラウドの利点を最大化できます。

AWS(Amazon Web Services)とは?

AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドプラットフォームで、業界最大手として幅広いサービスを展開しています。コンピュータリソースやストレージ、ネットワーク、データベースなど、ビジネスに必要なあらゆる機能を提供し、企業の規模に関わらず、迅速で柔軟なクラウド環境を構築できます。また、グローバルに分散されたデータセンターを活用することで、世界中どこでも安定したサービスを提供し、迅速なスケーラビリティを実現します。特に、オンデマンドで必要なリソースを迅速に追加できる点が特徴です。

それぞれの強みと用途の違い

OCIはOracle製品との親和性が高く、既存システム資産を活かしたクラウド移行に強みがあります。一方、AWSは豊富なサービス群とグローバル展開の柔軟性を活かし、多様なユースケースに対応可能です。自社の業務内容や将来の拡張性、運用体制を踏まえて、最適なクラウドを選定することが重要です。

比較① コスト・料金体系の違い

OCIとAWSでは料金体系やコストの考え方に違いがあります。OCIはシンプルで予測しやすい価格設定が特徴で、Oracleライセンスを活かした構成も可能。一方AWSは柔軟な料金プランが豊富で、使い方次第でコスト最適化が図れます。

オンデマンド・リザーブドの価格構造

クラウド利用料金には、使った分だけ支払う「オンデマンド型」と、長期間利用を前提に割引を受ける「リザーブド型」があります。OCIもAWSも同様の仕組みを持っていますが、割引率や契約条件に違いがあります。AWSは幅広いリザーブドオプションがあり柔軟性が高い一方、OCIはシンプルな料金設計と割引率の高さが特徴です。コスト重視か、柔軟な運用重視かで選択肢が変わります。

BYOL(ライセンス持ち込み)の対応比較

クラウド移行では、既存のソフトウェアライセンスを活用できるかがコストに大きく影響します。これを「BYOL(Bring Your Own License)」と呼びます。OCIは、特にオラクル製品に強く、ライセンス持ち込みに柔軟に対応しています。AWSもBYOLに対応していますが、設定や条件に注意が必要です。オラクル製品を多く使っている企業はOCIを選ぶとメリットが大きくなります。

比較② 性能・可用性・運用性

クラウドの性能や可用性は、業務の安定運用に直結します。OCIは高いI/O性能と独自ネットワークが特長で、可用性の高い構成が可能。AWSは多様なリージョンと成熟した自動化機能が強みです。運用のしやすさも含め、用途に応じた比較が重要です。

ネットワーク・ストレージ性能の違い

クラウドではネットワーク速度やストレージの性能が、システム全体の使いやすさに直結します。OCIは独自の高速ネットワーク構成「RDMA(リモートダイレクトメモリアクセス)」を採用し、高速かつ低遅延な通信が可能です。一方AWSは、グローバル規模で安定したネットワークと多彩なストレージオプションを提供しています。高性能を重視するか、幅広いサービスを重視するかが選定のポイントになります。

SLA・障害対応・バックアップ体制

クラウド選定では、サービスの安定性や障害発生時の対応力も重要です。OCIとAWSはどちらも高い稼働率を保証するSLA(サービスレベルアグリーメント)を提供していますが、OCIは一部サービスでSLA範囲が広いのが特徴です。障害対応や自動バックアップ機能も両者整っていますが、AWSは豊富なリージョンと復旧オプションが強み。業務継続性を重視するなら、細かな比較が欠かせません。

運用管理ツールや自動化の違い

クラウドの運用では、管理ツールや自動化機能が作業負担を大きく左右します。OCIは統合管理コンソールを通じてリソース管理や自動スケーリングが直感的に行え、Oracle環境との親和性も高いのが特徴です。AWSは「CloudFormation」や「Systems Manager」など、多彩な自動化ツールを備え、柔軟な運用設計が可能です。自社の運用スタイルに合うかを見極めることが重要です。

比較③ セキュリティ・ガバナンス対応

セキュリティやガバナンスはクラウド選定において最も重視すべきポイントの一つです。OCIとAWSは共に高度なセキュリティ機能を提供していますが、認証方式や監査対応、業界基準への準拠状況には違いがあります。自社のポリシーに適合するかを見極めることが重要です。

認証・暗号化・監査ログ機能の違い

OCIとAWSは共に強固なセキュリティ機能を備えていますが、認証・暗号化・監査ログ機能において設計思想や提供方法に違いがあります。OCIはID統合や自動暗号化が標準で強力な一方、AWSは細かいポリシー設計やサービス連携による柔軟な制御が可能です。監査ログについても、それぞれ独自のログサービスを提供しており、運用設計との相性を見極めることが重要です。

各クラウドのセキュリティ基準と実績

OCIとAWSはどちらも国際的なセキュリティ認証(ISO 27001、SOC 2など)を取得しており、金融機関や公共機関でも広く利用されています。AWSはより多くの地域・業種向け認証に対応している点が強みです。一方、OCIはOracle製品との親和性を活かし、特にデータベース保護に強みを持っています。求める業界標準や実績に応じた選定がカギとなります。

比較④ 保守・サポート体制の違い

クラウド移行後の安定運用を支えるのが保守・サポート体制です。OCIとAWSは、サポート内容や対応品質、日本語支援の体制に違いがあります。トラブル対応や技術支援を重視する場合、各クラウドのサポート体制を比較し、自社に合った選択をすることが重要です。

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オラクルクラウドの保守・サポート内容と特徴

オラクルクラウドの保守・サポートは、サービス料の中にクラウドベンダーによるサポートが組み込まれているのが特徴です。日本語によるサポート対応があり、専門エンジニアによる直接的な支援が受けられる点も大きなメリットです。さらに、オラクルはベンダー直営のサポートを提供しており、複雑なシステム運用や障害対応にも迅速に対応します。企業独自のニーズに合わせた個別対応が可能なため、安心して運用を任せることができます。これにより、クラウド移行やシステム維持において高い安心感が得られます。

AWSの保守・サポート体系とレベル選択

AWSのサポート体系は、Basic・Developer・Business・Enterpriseの4段階で構成され、ニーズに応じた柔軟な選択が可能です。24時間365日の対応や、技術支援、アーキテクトによるレビューなど、上位プランほど支援が手厚くなります。初めてのクラウド導入でも、段階的な支援が受けられる点が魅力です。費用は利用料金に応じた従量制のため、コスト管理も重要です。柔軟な選択肢がある一方、内容を理解した上で適切なプランを選ぶことが成功の鍵となります。

AWSで利用するOracle Databaseの新たな選択肢

2024年9月9日、OracleとAWSの協業により、AWS上でOracle Databaseを利用できる新サービス「Oracle Database@AWS」が発表されました。AWSのインフラとOracleのデータベース技術を組み合わせたこのサービスは、今後の展開に注目が集まっています。ここでは、新サービスの特徴やメリットについてご紹介します。

Oracle Database@AWSとは?

Oracle Database@AWSは、OracleとAWSの戦略的パートナーシップに基づき、AWSクラウド環境内でOracle Databaseサービスを直接利用できる新サービスです。特にOracle Exadata Database ServiceをAWS上でネイティブに動作させることが可能で、これによりミッションクリティカルなワークロードもAWS上で安全かつ高性能に運用できます。2024年12月時点で米国東部リージョンにて限定プレビューが開始されており、今後さらなる地域拡大が予定されています。このサービスは、Oracle Databaseのパフォーマンスと互換性を維持しながら、AWSのインフラ活用を可能にし、クラウド選定の新たな選択肢となります。

AWS上でOracle Databaseを利用するメリット

AWS上でOracle Databaseを利用することで、さまざまなメリットが得られます。たとえば、AWS AnalyticsとゼロETLを活用した連携により、アプリケーションやAmazon S3とのシームレスかつ安全な接続が可能です。さらに、運用面ではAWSの管理ツールと統合されており、日々の管理作業を効率化できます。Oracle Databaseの高性能・高可用性・セキュリティに加えて、AWSの柔軟性、俊敏性、拡張性を同時に享受できることも大きな魅力です。
今後も両社の連携が強化され、提供範囲や機能のさらなる拡充が期待されています。

まとめ|自社に最適なクラウドを選んで成功するために

クラウド導入において、クラウドの選定は慎重に行う必要があります。自社のニーズに最も適したクラウドを選ぶためには、コスト、性能、サポート体制などを総合的に比較し、長期的な運用を視野に入れた判断が重要です。クラウド導入・移行に関するご相談は、DCRまでお気軽にお問い合わせください。豊富な実績と丁寧なサポートで、安心・安全なクラウド移行を実現いたします。

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